猫事記

うんと小さな頃から家の中に入った桃や栗とちがって、みぃこちゃんは薄汚い。
っていうか、いつまでたっても手や足の白い部分が薄汚れた色のままだ。
うす〜〜〜い茶色っていうか、グレージューっていうかホコリ色っていうか........とにかく白くない。
本当にそういう色なのか、長年染み付いた汚れの色なのかなんとなく薄汚れた感じの足の裏だ。



暑い暑い今年の夏、セミの声がしても外に猫が来ても、みぃこちゃんは以前のように外に行きたいとは言わない。
顔中血だらけにしてもどってきたあの日以来、みぃこちゃんは本当にうちの子になったのだなあ。
エアコンの効いた涼しい部屋ですやすや寝ているみぃこちゃんはすごく可愛い。

そんなみぃこちゃんを見ていると、遠い日、道に倒れていたグリがもしまだ息があったら、
そして病院に連れて行けて、命が助かっていたら、
こんなふうに家の中ですやすや寝ていたのかもしれないなんて考えたりした。
考えても仕方の無い事だけどね。

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